植物をたくさん育てています。
ようやく厳しい冬を越えて、春の日差しがやってきました。
植物の育成では、心理士としても学ぶことや考えさせられることがたいへん多いのですが、そのひとつが「冬越し」です。
冬は日照時間が減り、温度が低くなります。植物にとって風通しも大切ですが、冬の寒風は厳しいものです。
寒さに弱い植物たちは、しっかりと保護されなくてはなりません。観葉植物などは日当たりの良い室内に移動します。一時的な避難です。
一方、寒さに強い植物もあります。松や杉、ヒノキなどの針葉樹が寒さに強いのはよく知られているかと思いますが、落葉樹も寒さに強いようです。落葉樹は、それまで大いに活躍していた葉を落として、しっかりと休眠することによって、冬の厳しさを乗り越えているのですね。冬枯れのケヤキなど、とてもきれいだなと思います。
冬野菜が寒さから自らの身を守るために、凍らないように水分を減らすのも同じような冬越しの工夫です。それによって糖度が増してくることは、冬野菜をいただく人間の立場からするとうれしいところですね。鍋がおいしいゆえんです。
いずれにしても、冬越しの工夫は、それぞれ自分の特徴に見合ったかたちで活動を控えることだといえそうです。
活動を控えている植物たちに合わせて、肥料や水やりは控えめにします。そっと、しかし、しっかりと見守らなくてはならない、というわけですね。
とはいえ、冬の休眠は単なる休みではありません。消極的なことではなくて、積極的な意味をもっています。
例えば、春になって種が発芽するためには、その前に冬の寒さを体験することが必要です。ずっと暖かいところに置いておいた種は発芽しません。
冬の寒さは休眠の合図であり、次の芽や花を作るための大切な準備のときなのですね。寒い冬を越えて、少しずつふくらんできた芽やつぼみを目にすると、とてもうれしくなりますね。
私たち人間は、頭でっかちになって、季節や身体の状態に関係なく動き続けています。意識が肥大して、無意識やこころの深層のあり方を見つめていない、ともいえるかもしれません。このホームページの一番最初の記事<植物の生き方とカウンセリング>にも書いたことですが、私たちが植物の生き方から学ぶことは大いにありそうです。
さて、もう少しすると、植物の植え替えや土のこと、地面の下のことを考える時期です。これもまた人間やこころについて深く振り返る機会になります。
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